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2001年正月(「天空の駅」訪問)

 

「乗り直し」の日程を1日圧縮してしまったので、「18」が一日分余ってしまった。「11500円で四日分」という考え方もできなくはないが、これを残してしまうのは非常に損した気分になるのでなんとしても消化したいと思うのはいつものこと。

そこで思いついたのが今回の計画。これは前々からやろうと思っていた計画で、三江線の「宇都井」駅へ訪れるというもの。この駅は116段もの螺旋階段を登った先にあるという、まさに「天空の駅」である。それでいて1日4本の列車しか止らないという何とも贅沢な造り(?)の駅で、ぜひとも訪れたいと思っていたのだった。

ちょっとネックになるのはこのところの寒さ。しかもこの日は雪の予報が出ていた。列車が止ってしまう危険性もある情勢。来週に持ち越してもよかったが、「行きたい!」と思ったときに行かなかったら結局行かないまま終わってしまうと思って、行くこととした。

 

 

7:10 起床。

7:41 西明石発。8両つないであるがなんと満員で座れない。東加古川で何とか窓側の席が空く。

7:57 加古川着。加古川駅周辺連続立体交差事業の方は、着々と進んでいるようだった。ホームもすっかり移設されている。

市川を渡り姫路の中心に差し掛かるが、姫路駅周辺連続立体交差事業の方は、いつ見てもほとんど変化がない。加古川の方が先にできてしまうのではないかというくらいの勢いである。

8:13 姫路着。朝食を全く食っていないので、このホーム上にある立ち食いうどん屋で猛然とうどんを食う。

8:23 「チボリ号」が、221系で入線。新しいのはいいが、まず思ったのは「寒そう」ということ。編成は4両であるが、割とガラガラ。

8:28 姫路発。乗車率は50%行くか行かないかというかなり落ち着いたもので、快適乗車を楽しむことができる。この「チボリ号」は、姫路−岡山間の88.6キロを62分で走破する。表定速度は85.7キロにも上り、新快速並である。なのに乗車率が非常に低い。臨時だから認知度が低いのか。それともこの区間に快速の需要がないことを物語っているのか。

それはともかく、おかげでこちらは快適乗車。速度が速いのを楽しむこともできるし、停車しないから乗客の動きもないからかなり気分がよい。しかし、やっぱり寒かった。新型車両になったことによって、下がすっきりした分、ヒーターが無くなってしまったからか。

姫路駅周辺連続立体交差事業の方、西側はまだ柱がぽつぽつと立てられているだけでほとんど何も手を付けられていない。しかし用地買収は進んでるようで、新駅用地はほとんどが更地になっているが、未だに小さなビルが一軒。家が2〜3軒建ったままになっていた。

8:42 相生着。ホーム上に大量に客が待っている、と思っていたがこっちには乗ってこなかった。和気、瀬戸で地元客が乗り込んでそれなりに混んできた。やはり船坂峠を越える客はほとんどいない、ということなのか?

9:30 岡山着。ここで大半の乗客が入れ替わる。さらに4分停車する。井原鉄道に乗るためには倉敷から伯備線で一駅行った清音まで行けばいいのでこのまま乗り通す。

9:47 倉敷着。下車してみると、寒―い!!倉敷でこんなだったら宇都井ではどんなだろうと先が思い遣られる天候。

10:02 新見行きが到着。来たのは「最悪電車」、ロングシート105系がたったの2両だった。

山陽本線上ではまだ人の住んでいる気配があったが、伯備線に入ると一気に人気がなくなってしまう。高梁川を渡る橋は大きいのが多い。最初に見えたのが山陽道で次に新幹線、そして最後に見えた豪快なトラス橋は、これから乗る井原鉄道のものである。

10:09 清音着。ここで井原鉄道に乗りかえるが、乗り換え駅とはとても言えないくらい寂しいところであった。井原鉄道の改札はJRの2,3番ホームの倉敷側にあり、駅員もいた。清音から神辺まで38.3キロ、¥980也。これまた乗らずもがなであるが、とりあへず…。

次の神辺行きは12分後の21分発。初めてこの駅に降りて、駅周辺観察をじっくりしてもまだ時間を持て余す。となると普段から乗っている人達はなおのこと。本来ここもすべて岡山、福山まで直通するのがスジだと思うのだが。

10:21 ようやくにして列車が来た。当然ながら単行ワンマンカー。しかし一人乗務員が何故かいた。。車内は単行で充分なくらい空いていた。やっぱり岡山、福山に直結できないので乗客が少ないのか。こんなだと大赤字が予想される。早速さっき見た豪快なトラス橋を渡る。単行ワンマン気動車が渡るにしてはあまりにも豪華な設備。その後もずっと高架橋が続く。さすがは「鉄建公団」が造っただけのことはある。規格は抜群によい。となると高速運転が可能だから高速で走らせるべきだが、駅間がそれほど長くないこともあって大して速く走らない。

10:24 川を渡ってすぐのところにある最初の駅、川辺宿駅に着く。片面ホームだがもちろん高架駅。

10:31 備中呉妹(びっちゅうくれせ)着。この駅だけではないが、駅前にはばっちりロータリーなどが整備されているが回りは田圃だらけでかなり無駄に思える。この駅から行ける観光地の案内板があったがいずれも駅から3〜4キロ離れていてどうやって行けっちゅうねん、と思っていたら、自由に利用できる無料自転車がこの駅にはあるとしてあった!そんなことして大丈夫なのか?乗客誘致のためにはここまでせねばならぬのか、と思う。しかしよしんば自転車があっても誰も利用するとは思えないのだが……。

10:51 「早雲の里」という枕詞の付いた「荏原」着。この駅に来て初めて地上に降りる。ちょうどこの駅の近くには車庫があった。ここで4分停車するが、行き違い列車を待つ訳でもなく、イミ不明。こんな停車時間は無くすことが可能だ。とっとと走らせて乗客離れを防ぐべきだ。

10:59 この線の中心駅、井原着。岡山県井原市の中心駅である。

その後、いずえ、子守唄の里高屋と続く。後者の駅名などは、何か名物を探して…、という苦肉の策で出てきた名前だろうが、全くピンと来ない。井原鉄道……。このままだと、ヤバイぞ!!

11:09 御領で行き違い待ちで4分停車。単線の宿命とは言え、これではなかなかしんどいだろう。JRに比べて駅が多いのもマイナス要因だろうが、苦しい。

11:19 神辺着。ほとんどが高架の豪華路線であったが、余りに閑散としたのが印象的な井原鉄道であった。

神辺駅は近代的な橋上駅舎だが、かなりぼろい…。元表口だったところには人気はなく、側に大型スーパーのある裏口の方が賑わっていた。もっとも、駅の近くだから賑わっている訳ではなく、彼らもほぼ100%クルマで来た客だ。

井原鉄道で降りた客のほぼ100%は、福塩線上りホームで電車を待つ。ここでの接続時間は8分。福塩線の運転間隔(およそ40分毎)に比べればかなり短いと言えるが、直通が大原則なのだがら、これでもそれほどいいサービスとは思えない。

11:27 神辺発。来たのはさっき伯備線で乗ったのと全く同じ105系。ここではそれほど「最悪電車」感はなかった。元私鉄で元々こういう電車が走っているからだろう。

各駅のホームは小さく、また駅前は非常にせせこましいところばかりで、元私鉄だったことを想像させる。

それにしても遅い!保線が悪く駅間が短く車両がボロく単線のため、福塩線の表定速度は30km/h台である。これでは高校生以外は誰も利用しない。現実にそうであった。

11:55 府中着。接続時間は14分あるので外に出る。駅前ローソンあり。昼飯の買い物をする。

福塩線の三次行きはもちろん単行ワンマン。新型キハ120系はボックスが申し訳程度に4つしかない。しかもボックスはかなり狭い。この車両は「極悪電車701系」のJR−W版と言える。こちらの方は余り幅を利かせていないからそれほど話題には上らないが。

12:09 府中発。府中から先は一気に鄙びた谷間の景色となる。それにしてもボックス窮屈。大人が4人座るのはかなり無理があると言っていいほど。酷い……。

12:25 3駅目の河佐着。ここで1/3くらいがどっと降りてしまう。そして右側のボックスが丸ごと空いたのですかさずシフト。一気に快適になる。

今回は「駅間徒歩」をするということもあって、地図を携帯している。それによると、ここから先に7キロくらいの長いトンネルがある。何でこんなところに、という感じのする場所にあるのだが、地図を見てその理由判明。これはダムによって水没してしまう線路の代わりにここにトンネルをつくったとものと思われた。95年に購入した地図ではでは、その部分はまだ小さな川があるだけだったので確信。

12:46 そのトンネルを抜けて3駅目、上下に到着。この駅は、その名の通り(?)、福塩線で最も標高の高い駅だそうだ。その標高は383.74米であった。ここらから「日本海側」になるらしい。

12:59 上下から二駅目の梶田に着く。しかしここでトラブル発生!なんとドアが開かない。しかし運転士が別の方法でドアを開けることができて事無きを得る、かと思えたが、ドアを開けて客を乗せたあと運転士はどっか行ってしまいしばらく帰ってこなかった。幸いにして三次での接続時間はかなり長いが、このまま動かんかったら何しに来たか分からん!早くしてくれと思う。

13:13 14分遅れで発車。ドアが非常の方法でしか開かず、電光掲示の運賃表と整理券もでなくなってしまった。

13:26 梶田から二駅目の吉舎に到着。ここは有人駅で、反対列車が遅れたこの列車を待ちかねていた。ここで大量に高校生が乗車する。

13:51 三次着。接続すべき三江線は14:18発車であるから時間はある。

三江線も当然ながらJR−W版極悪列車の単行ワンマンカー。とりあえずカバンでボックスを取って、食料調達。

列車に戻ると私のボックスには老人が座る。ここでの乗客で19歳以上64歳以下は私一人だけであった。

14:18 三次発。三次市街を右に見ながら大きくカーブして最初の駅の尾関山に到着。その後は一気に人里離れた、江の川沿いの風景と変わる。天気は良くて、天気予報は外れてくれた助かった?

途中で老婆が乗って来て、私のボックスに座っている人と親しく話す。二人とも病院通いのための乗車であることが分かる。まさに病院通いか高校通いのためだけの列車である。あ、それと「鉄ちゃん」のためでも。。。

その後、このおばあさんに話しかけられる。この列車は口羽までだがどこまで行くのかと尋ねられ狼狽。説明しにくい。。とりあえず口羽まで行って折り返してくると話す。

三江線もまだ2度目なので新鮮である。大きな江の川沿いの景色のいいところをひた走る。逆に景色がよすぎて人の住んでいる気配が全く漂わない。可部線よりもこちらの方が廃止対象に挙げられて然るべきなようにも感じる。

この川はこのあたりでもかなりの川幅だが、その割に沿岸人口が少ないため、橋の数が少ない。また、たまにある橋でも許容荷重が小さい橋が多い。全長150mくらいをワンスパンで通している橋などがあり、その積載荷重は9t!クルマが行き違えるほどの幅はないが、トラック一台だけでもヤバイかも知れんくらいの荷重である。しかしそれでさえ贅沢と思えるほどの橋の豪快さ&人口密度の少なさなのである。

さっきまでは日も差していたが、口羽に近づくにつれて雲行きが怪しくなり、泣き出しそうな空へと変わっていく。頼むからもう少し持ってくれ、という心境。

15:02 口羽着。もう少し何かあるところかと思ったが何もなく非常にシンプルな駅しかないところであった。降りた途端、雨がぽつぽつと落ち始めてきた。しかしここまで来たからにはもはや行くしかない。

さて、口羽から「宇都井」までは4.9キロと時刻表には出ているが、線路は真っ直ぐ短絡しているのに対し、道路は大幅な迂回を強いられている。片道1キロ近いヘアピンカーブを往復しても、線路上では300mくらいしか進んでいない、というくらいの迂回である。ということで歩いていただけでは間に合わん、と思い時々走りながら急ぐ。

この辺りは江の川の両岸に道路があるが、今いる左岸の道路は1.2車線くらいしかない。もっともほとんどクルマが通らないからこれで充分なのだが。てなもんだから、かなり寒いし雨は降り始めようとしている空にもかかわらず、「サイコー」感が高まってくる。

また、右岸の方には国道が通っているが、やはり1.5車線しかない。しかしここもほとんどクルマは通らない。左岸は完全に山があるだけで、右岸の方も時々民家があるがほとんど山で、4本/日もやむなし、といったところ。このままだと廃止にするのが妥当だとしか言いようがない。

ヘアピンを抜けた先で、江の川を渡る三江線の豪快なトラス橋が見えてきた。口羽−浜原間は昭和50年完成の新しい区間。「鉄建公団パワー」炸裂、といったところである。

雨は一旦止んだがその後本降りとなり、やがて雪となる。

対岸に口羽の一つ先の駅、伊賀和志駅が見えてきた。ここもできれば寄りたい、とおもっていたが、前述の理由で橋が全くないためどうしようもない。

 

16:05 そして、見えてきた見えてきた。「宇都井」駅!コンクリートの柱のように見える階段の上に、そのホームはある。その段数は116段の、まさに「天空の駅」!当然ながら、雨から変わってきた雪が本降りになってきたにもかかわらず、大はしゃぎでまずは橋の上から、その次は田圃のあぜ道に分け入って写真撮影。

今までのところ、民家は一軒もなかったがここに来て少し平地があって、小さな集落があった。この辺りの客が病院に通うかあるいは高校に通うために、この駅はあるのだろう。

そして、興奮を押さえるようにして階段に上る。この階段の雰囲気はまさしく社宅そのものであった。10段毎に踊り場があってそれが6往復ある。最後だけ6段だったため、都合116段。非常に「数えやすい」!

そして待合室に到着。待合室には当然のように「たびのーと」あり。早速中身チェック。私も記帳する。これで、西大山、坪尻、坪尻(2度目)、楓、青海川と、この「宇都井」。私ももはや「たびのーと」の常連???

せっかくの宇都井駅だが、雪のため余り外に出る気がしない。それでも元気よく外に出て景色眺める。高いところだから景色もよい。それでいて全く人がいない。素晴らしい駅であった。

16:44 列車がやってきた。何とここで降りる客がいた!乗客の中には、鉄ちゃんが4人くらいいた。席について荷物の整理などをしているともう口羽駅に着いてしまっていた…。恐ろしく「速い」!!

雪がかなり強くなってきた。そして徐々に周りは白くなっていく。これがどこまで積もっていくのか、非常に興味があったが、どんどん暗くなって行く……。

17:33 三次に到着。28分時間がある。ということで夕食を、と思う。駅前の「お好み焼&ラーメン」の店に入る。このところラーメンばかりなので、広島風お好み焼にしようと思う。時間が気になるところだったが、大急ぎで食べる。さっき三江線で一緒だった鉄×2もこの店に現われて、ラーメンを注文していた。

府中行きは2両の「大盤振舞」だったが、ボックスが二つ合わせても8つしかないのでPPにはありつけない。発車直前にさっきの鉄×2が乗り込んできた。

18:01 三次発。4つめの三良坂でドラスティックに降りてくれ、後ろの車両がかなりがら空きになったようなので後ろに行く。ボックスさえ取れればこっちのもん。既に軌道上にもかなりの雪が積もってすっかり真っ白となっている。真っ暗だがその様子がよく見て取れた。

19:14 長いトンネルを抜けた先の河佐に着く。トンネル手前では真っ白だったが抜けると雪は全く積もっても降ってもいなかった。正にこのトンネルが分水嶺のトンネルである。

19:29 府中着。乗り継ぐべき福山行きは16分も待たされる。しかもまだ入線していないために猛烈寒いホームでいなければならない。

19:45 府中発。夜の上りなのに4両もつないであるために車内はすっからかん。また、編成が長いのが理由なのか知らんがワンマンではなく、つまり各停車駅毎に全ての扉が開く。ほとんど人が乗降りないのに無駄なドア開閉を行い、なおかつ駅間が短いために酷く寒かった。

20:26 福山着。6分接続時間があり、まあまあの接続時間だが、寒いので非常に長く感じられた。岡山行きは空いていた。

21:30 岡山着。21分接続で待つは、私の「家」の最寄り駅の西明石行き電車。いつも苦労する岡姫間、ということで接続時間が21分なのに意味なくダッシュ。電車も待っている客もおらず、本当に全く意味がなかった。

21:45 発車5分前にしてようやく電車が到着。伯備線で使い古された115系がたったの3両でやってきた。さすがにこの時間帯ではそれほど乗車率は高くなく、ほとんどが地元客。

21:51 岡山発。瀬戸に着く頃には車内はすっかり落ち着いた雰囲気。ボックスも独占状態で、快適乗車となった。

23:47 西明石着。家路につく。

 

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後書き

 

JR完乗を達成して以来、私の旅行意欲は一気に失せてしまった。元々、特に旅先で名所旧跡を回ったり美味しいもの食べたり温泉に入ったりするのが好きという訳でもなく、ただ単に鉄道に乗って移動するのが好き!というだけのものだったから、こういうことになるのは目に見えていた。それでも18きっぷを買い、何とか旅行へ行こうと意気込むが、日が経つにつれて非常にばからしく思えてきたのだった。

しかし、長い休みをひたすらぼーっと過ごすのはやはりもったいない、と感じて、目的を失ってすっかりモチベーションは下がりきった中、重い腰を上げて旅立つことを決意したのだった。

結果としては、何もせずにぼーっと過ごしているよりははるかに有意義で、やっぱり「私にはこれしかない!」と思ったのだった。

PART1での青海川、PART2での宇都井と、辺境の無人駅へ訪れることの楽しさをすっかり覚え、その方面のフリークがある一定以上の数存在することを知って、「新分野」を開拓した!という充実感もあった。

しかしやっぱりもったいないと感じたのは、「何で北海道に行こうと思わなかったのか」ということ。もし、年賀状をもっと早く見ていたら(物理的には有り得ないが)、だいぶ心境は変わっていたに違いない。

ともかく、長期休みのある限り、こーゆーことをしていきたい!と、強く感じるのであった。

 

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