2002年夏、白馬岳登山記
2002.7.24(水)、25(木)
前書き
乗鞍岳に行った直後の山行ではあるが、こちらの方が先に計画があった。Hは都合が付かないのでOと2人で行くことに。当初はテント泊とする気でいたが、平日に日程を切り替えたこと&白馬の山小屋のcapaはでかいこと&荷物重いのはしんどいのとで、軽く山小屋泊に切り替えることとした。
7/23(火) 23:00 列車に乗る。深夜だというのに猛烈暑い。 23:35
岐阜で夜行列車「ちくま」に乗車。車内は登山客専用列車と化していたが、ガラガラ。名古屋で乗り込みがあるものの、2人掛け独占ネは可能で快適だった。 7/24(水) 4:14 松本着。こんな時間に降ろされてどうしようもない。ここから白馬まで行くのに2回乗り換えせねばならない。 6:00 白馬着。Oは6:30のバスで来るので、それまで時間を持て余す。 6:45
Oと合流し、猿倉行きのバスに乗る。 7:15 猿倉に到着。ここは、登山以外に何の目的があるのかと思うような場所であった。駐車場はそれほど満車でもなかったが、出発準備をしている人多数。天気は今のところ曇であるが多少暑い。
7:30
出発。最初は樹林帯の山道だったがすぐに広い林道へと出てくる。勾配は緩く楽な道である。すぐ側を大きな川が流れているために視界が広がっていて、目指す山の上の方が見える、かと思いきや、雲の中…。鬱氏。。やがて林道が尽きて普通の山道に戻る。山道になると勾配が急になって来て両者の間に差がつく。私が時々待つという展開が続く。 8:30 白馬尻山荘に着く。休憩する場所があったが、ここから見える雪渓が絶景!もう間近に迫っていた。興奮度が高くなり、走ってそこまで行ってみたくなるほどだった。
出発後およそ10分ほどで雪渓の入口に到着。ここでいよいよ「アイゼソ」の出番である。乗鞍で上手く行かなかった後、帰ってしっかりと予習してきたので簡単に付けられる。
白馬尻山荘付近から見た大雪渓8:40 いよいよ雪渓へ足を踏み入れる。乗鞍の時のような感じではなく、雪がサクサクしていて爪がしっかりとはまり、歩きやすい。何時の間にか上空は晴れて、山頂付近まで見渡せるようになる。すごい景色。さらに、強い夏の日差しがあるにもかかわらず、一面の銀世界から発せられる冷気が風となって気持ち良い。どんどん勾配は急になって来てしんどいはずだが、非常に楽しく進んで行けるところだった。時々立ち止まって後ろを振り返ったり、周りを見渡したりして景色を堪能。
晴れていると思いきや、突然真っ白な雲の中に入ってしまったりする。山の天気そのもの。これらの雲は、雪面が強烈な日差しによって温められて水蒸気が発生してで来ているものと思われる。
雪渓の幅は100m以上あるが、皆同じ場所を歩いているため列になって進んで行く。が、遅い人を抜かしたいから同じ列で歩いているのがだるい、ということで列から大きく外れて歩いて行く。すると、監視員の兄ちゃんから注意を受ける。この列は落石が起きにくい場所を選んでできたものであるから、そこから外れて歩くのは落石の危険があるからやめてくれとのこと。ついこないだここで落石死亡事故があったらしい。しかもここでの落石は音を立てずに落ちてくるから予測が難しいらしい。それらを聞いた後、再びホワイトアウト!こうなると見通しきかないから、落石がきても対応できなーい!!かなり危険であることをようやく悟った。
晴れた時の雪渓10:50 雪渓区間が終了。ここから普通の道となる。すっかり森林限界は超えているので見通しよい。頂上付近も見事に晴れてきて早く着きたくなる。が、ここからの道のりは急で、そう簡単には行かない。
しばらく行ったところに再び雪渓あり。トラバースして行かねばならない。すべってしまうと急斜面に転がり落ちてしまう罠。非常に危険な場所だが、全長にして100mちょっと。アイゼン出すのもアホらしい。ということで、最初は安全のために付けようか、と思っていたがめんど臭いことが勝って、アイゼンなしで突っ切って行く。杖が一本あるのでそれを頼りにして進んで行く。
大雪渓最上部から見下ろす12:00 お花畑避難小屋に到着。ここで大休憩とする。早くも私は手持ちの食糧を消費し尽くし残るはカップラーメンのみとなる。これは山頂で食う事にしてるので、頂上まで飲み物だけでしのがねばならない。もっと食糧を持ってくるべきだったが、リュックがパンパンでこれ以上詰め込むことも難しかったのが今回の敗因か。
20分ほど休憩して、出発。我々のパーティー、おばちゃん集団と「デッドヒート」を繰り広げている状態。明らかに勝って然るべきところであるが、中高年ペースと同じとなってしまっている有り様であることがよく分かる。
いよいよ頂上の山荘(村営の方)が、見えてきた。こうなると私は俄然元気が出てくるのだが、Oの方はペースが上がらない。。
13:20 村営の山小屋に到着。私は既に相当に空腹状態。1秒でも早くカップラーメンを食いたい。準備開始。早く湯よ沸いてくれーという心境でじっと待つ。ラーメンは、最高に旨かった。。
ここから、もう一軒の山小屋の白馬山荘が見えている。あっちの方が豪華そうで、すぐに行けそう。明日の行程を考えればあっちに行った方が楽であることは間違いない。時間も遅くなく、天気もよいようなので行くことにする。
14:20 出発。すぐに稜線に出ると、向こう側がくっきりハッキリ見え、素晴らしい景色。振り返ると白馬三山の残り二つの山(杓子岳、白馬鑓ヶ岳)が見える。小屋まではあと少し、なのだが、意外に遠かった。 14:40 白馬山荘に到着。受付。食事は、私は翌朝の食事を弁当としてもらい、Oは朝飯なしとしてもらう。
さすがに部屋の数は大きく、広い。一人1スペースは確保されそうな勢い。平日効果が出ている。とりあえず疲れた体をしばらく休める。15:15 荷物を置いて、白馬岳山頂へ向けて出発。20分ほどで到着。天気が良くて最高の気分。白馬三山、明日進む道、そして下界の景色まで手に取るように見える。白馬の市街地やら、今日通って来たコース、白馬尻から雪渓にかけてまでもきれいに。雪渓は上から見ると、とんでもなく急であることが分かる。よくもあんなところを登ってこれたものだと思わずにはいられない。頂上でこの景色をしばらく堪能する。この山頂、東側が崖のように切り立っていて、近づくと足がすくむ。ちょっと下を覗いてみるが、恐ろしい。。
この山頂の近くには、ヘリポートがあるようだった。ちょうど村営山荘の近くにそれはあって、ヘリによる物資輸送が頻繁に行われているようだった。それゆえ、あれだけの収容人員を持つ山小屋がやって行けるのだろう。
白馬山頂から見た白馬大雪渓16:25 山小屋に戻り、ここにある「スカイレストラン」に行く。本当に標高3000m近い山の山頂近くなのか、と思わせるほどの豪華な建物と内装。そしてなんと、生ビールなども置いてある。我々は軽く注文。最高の贅沢を味わう。窓際に移動すると、その贅沢度がさらに上がる。近くに聳える、立山、剱連峰を見ながら、なおかつよく見ると、ちょこんと尖がっている槍ヶ岳までもを見ながら、ビールを飲めるという最高級の贅沢を味わえた。
立山連峰。右が剱岳、左が立山主峰16:00 夕食。これも非常に満足が行くものであった。今日は平日ということもあって、キャパの大きいこの山荘は割と空いていた。今回はこの選択をして正解だといえた。
食後部屋でくつろぐ。部屋からも、きれいに剱、立山、果ては槍まで見える贅沢な眺め。そろそろ夕日が沈むということで外に出てみる。日が翳ると寒い!大丈夫だとは思うが油断していると風邪引きそうなので、ちょこっとだけ滞在して夕日を見てすぐに部屋に戻る。
21:00 電気が消えたことに気づかないまま、就寝。。 7/25(木) 3:00 起床。部屋を脱け出して、出発準備。スカイレストランの下に自炊場で朝食。夜中はいつまでも満月が見えていたのに、出発直前になるとどうやら霧が出て来てしまった。こうなったらゴアテックスで臨むしかない。
4:10 出発。15分ほどで山頂に到着。ご来光を待つ人で頂上は賑わっていたが、ご来光が見れそうな予感はない。それでも、太陽が昇る瞬間、一瞬にして空が明るくなるのが見えた!これだけでも結構感動。 4:45 頂上を後にする。しばらくは霧の中でどうしようもない中、稜線伝いの道を歩いて行くが、段々霧の層が薄くなってきた。そして青空も見えるように。これはひょっとしたら期待が持てるのではないか、というまでもなく……。空はきれいに晴れてくれた! そして、こんな現象も。太陽光線と霧のスクリーンの間に人が挟まれた時に見える「ブロッケン現象」だそうだ。こんな感じで、霧から急速に快晴になるという、山の天気をまた一つ知ることになった。
5:19 長野、富山、新潟三県の県境が交わるポイント(三国境)に到着。ここから小蓮華山への道のりである。ええっ、あんなとこまで登んの?というくらいに遠くに見えるが、コースタイム40分とある。大丈夫なんかいな、と歩いて行くと、確かにどんどん近づいて行く。大丈夫そう。このあたりの稜線は、八ヶ岳とかとはちがい特に急で危険なところもないから楽しんで行くことができる。しかも早発のために人が全然いないのもよい。 5:58 小蓮華山山頂に着く。山頂からの眺めは絶景。しかも我々で一人占めなのもサイコー。振り返ると白馬岳、杓子岳がきれいに見え、進行方向には白馬大池がきれいに見える。白馬、杓子は雪で削り取られてむき出しになった土、あるいは雪渓そのものの白と、尾根の部分に残った緑とのコントラストが美しい。まるで「スタバ」のようだった。スタバが「笹」に見えるように、これらの山も笹のような感じがした。で、このページの壁紙も「笹」としてみたのだった。。。
右が白馬岳。左が杓子岳6:25 およそ30分ほど滞在して、出発。さすがに暑くなってきたのでゴアテックスを脱ぐ。森林限界の上なのでひたすらいい眺めが続き、飽きが来ない。そして、白馬大池がすぐ側にまで迫る。もうすぐ行けるのとちゃうか?と考えるがそうでもないのはいつものこと。この位置まで来てから、あの山荘まであと10分くらいか、と思っていたが20分以上もかかってしまう。どうも距離感がつかめない。
白馬大池
白馬大池方面から見た小蓮華山7:42 白馬大池山荘に到着。テント場もあるがテントを張っているのは既に一張のみ。山荘には人気はなく、昨日は宿泊者がいたのか?という佇まいであった。相変らず風が強いが、天気が最高なのでそれも余り気にならないほどであった。
7:56 白馬大池発。ここからの道のりがなかなかしんどかった。白馬大池の周りをぐるりと回るように進むが、大きな岩がごつごつした地帯を進んで行かねばならない。歩きにくく神経を使い、進みは当然遅くなる。そして池の向こう側に抜けるために上りになってきつい。ハァハァ言いながら登り切る。
8:29 「乗鞍岳」の山頂に着く。と言ってももちろんパッチもんの「乗鞍」であるが。ここで一息ついて平らな道となり、そして下りに。しかし今まで通りのごつごつとした岩場を行かねばならない。さらに雪渓トラバースあり。このあたりから人と多くすれ違うようになる。人が多くいるところでこういった岩場を行く時には落石に細心の注意を払わねばならない。時々岩に足を取られそうになりながら慎重に行く。
9:12 岩場を下りきり、天狗原の木道に出てきた。このあたりまで来ると、今から登る客が続々と現われていた。やはり若い人は皆でかい荷物を持って上を目指している……。今日も腹が減り、休憩の度に何かを食していた。ここで全ての食糧を消費し尽くしていた。
9:23 出発。あとは400mを一気に下るだけである。もうすっかり暑くなっているが、これ以上日焼けをしたくはないので意地で長袖を着続ける。ここからは樹林帯に突入するので直射日光はある程度は避けられる。が、それほど木が生い茂っているわけでもないので効果は薄い。逆にまだ山の方を見渡せる。見るともう既に山頂付近はかなり雲がかかっていた。やっぱり、早発してよかった。10:11 栂池自然園に到着。此処からいわゆる「麓」まで、ロープウエイ、ゴンドラを乗り継いで行かねばならず結構遠い。
11:20 乗り物を乗り継いで栂池高原駅に到着。これでラクして1,000mを下ることができた。
駅のすぐ側にあった「栂の湯」に転がり込む。既に営業はしているものの、まだ午前中であるためほとんど貸切状態。さっぱりしたあとは休憩室でぼーっとする。腹へったがなかなか動く気しない。
12:40 昼飯を食いに行く。恒例の「地ビール」を期待したが、残念ながら、ここにはない。Oの事前リサーチ通りのそば屋に行くことにする。ここでは生ビールはなかったので、瓶ビールで乾杯する。 13:10 店を出る。あとはOが乗るバスが発車するまですることが無い。1時間半もの時間を持て余す。私は次の日の立山に備え近くのYHに泊まるだけなので付き合う。日陰にある椅子に腰掛けぼーっとと過ごすのみ。。 14:40 Highland Expressのさわやか信州号に乗って、Oは去ってく。私の方はと言うと、その5分後に発車する白馬行きの路線バスに乗る。。 17:10 白馬から大糸線の信濃木崎で下車し、某YH着。ここから明日立山へ向け出発するが、早朝のバスに乗るにはここから4キロほど歩かねばならないのだった。大町市内の適当なところに泊まっておくべきだった?
後書き
今回の山行は好天に恵まれ非常に満足が行くものであった。宿泊地に選んだ白馬山荘は、平日ということもあって大混雑は避けられ、また豪華な施設での贅沢な気分を味わうことができてよかった。それゆえ、山に行ったというか、「観光」に行ったという気分にもなるくらいだった。また反省点としては、ザックが満杯であったため十分な食糧を用意できなかったこと。もう少し大きなキャパのザックが必要か、あるいは荷物を整理する必要性を感じた。